あの人と、HIZEN5

STORY05

岩目後 明香

岩目後 明香

秀でたカット技術と似合わせの提案力に定評のある『TRENCH』スタイリスト。ゲストのあらゆる要望に対応するプロ集団の中でも、ナチュラルなスタイリングを得意とする。トレンドを取り入れながらも、その人の内面的な美しさを引き出すことを大切にしている。

店とお客さんの垣根を超えて
交える気持ちのやりとり。

「手紙は書く方だと思います」。
福岡市中心部からほど近い今泉エリアで美容師として働く岩目後(いわめご)明香さん。自身が勤めるヘアサロン『TRENCH』は、美容室激戦区の福岡にあって、ファッション感度の高い女性層を中心に根強い人気を誇っています。
スタイリストとしてのキャリアは6年目。サロンワークのみならず、若手スタッフの指導も担う岩目後さんの日々は多忙を極めます。「日々が充実するのもお客様あってのこと。本当に嬉しいですね」。岩目後さんの技術力を慕い、長年リピートするお客さんも多いなかで、年末や異動のシーズンともなると、お客さんから手紙を受け取ることもあると言います。
「お店とお客さんという垣根を超えて、人間同士の温かな心の交流ができるのって手紙の醍醐味ですよね」。直近では、子どものお客さんから受け取った手紙もあるといい、岩目後さんはそれを大事に保管しています。

手紙

インクを自由に楽しむ感覚は、
ヘアカラーを選ぶワクワク感と似ている。

手紙好きの岩目後さんが愛用する唐津焼製「カラツペン」。柄の部分は陶器製ながら羽のような形状をし、ペン先はガラス製です。
「これまでボールペンで書くことが多かった私にとって、インク、それもガラスペンで字を書くことがあまりに新鮮ですっかりハマりました。インクで書く字がこんなに表情豊かなものとは思いもしませんでしたから」。
ガラスが紙をとらえるさらさらという音とともに「カラツイロ」の深みあるインクが美しく滴る心地よさは、このペンを使うことでしか得られない心躍る体験です。「インクを気軽に楽しめる感覚って、お客様がヘアカラーを選ぶ時のワクワク感にも通じるものがあると思っています」。
また、ペンそのもののシックな雰囲気もアンティーク調のサロン空間に調和しているかのようです。

ヘアカラー

デジタルでは伝えにくいこともある。
だから手書きの習慣を大切にしたい。

岩目後さんにはもう一つの「書く」習慣があります。
「初めて担当したお客様に名刺をお渡しするんですが、そこにも一筆添えることにしています」。このさり気ない心配りに喜ぶお客さんも多いそうで、次の来店機会に恵まれることもあるといいます。
加えて施術カルテや業務日誌も岩目後さんは自分の言葉で書き続けることを長年大切にしているそう。一方、お店は13年目の営業を機に、美容ニーズの高い若い女性層をターゲットにした新店オープンを控えています。
ファッション感覚で髪色を変えたり、ヘアアレンジを楽しんだりすることが珍しくなくなった今、スタイリストとしてより高みを目指したいと話す岩目後さんの目は輝きに満ちあふれています。

デジタルでは伝えにくいこともある

HIZEN5 カラツペン(ガラスペン)【唐津】

気ままにインクを染みこませ、味わいのある筆跡を落とす。 ガラスペンと陶器は相性がよく違った趣を見せてくれます。文字に思いを込めて綴るその前に、手に取る陶器の質感や色に触れると、紙に色を落とす時間がより豊かに。

¥ 13,750

ARITA