あの人と、HIZEN5
STORY04
小林 久晃
『FIDES』ディレクター。「現代を生きるすべての人のためのユニフォーム」をコンセプトに、上質な生地のウェアを中心にブランドを展開。ロゴマークを基調としたアイテムは、無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインが多く、男女を問わず支持を得ている。
ものづくりも仕事道具も、
色味の統一やバランス感を考える。
かつてJリーグの選手として活躍した小林久晃さんが2017年に立ち上げたアパレルブランド『FIDES』。ラテン語で「信頼」を意味するブランド名が表すように、着る人の心地よさを徹底的に追求したオリジナルの生地づくりに定評があります。
ブランドの代表として企画・製造から販売計画までを一手に担う小林さん。「店舗と事務所を往復する毎日ですが、時期によっては対外的なやりとりも多く、事務所で過ごす時間が増えました」。ストックを整然と収めた倉庫兼オフィスには、小林さんのデスクがひとつ。その背後にある書棚をはじめ、オフィス関連ツールの大半は、モノトーンで統一されています。
「もの(服)づくりもですが、私物も色味の統一感やバランスを考えることが多いです。だからこの空間も結果、似たものばかりが揃ってしまうのかもしれないですね」。
笑みを浮かべながら手にしたボールペンで書類のチェック作業を始める小林さん。ご多分に漏れずそのペンの色もやはり「黒」です。
わずか一本のボールペンを
武雄焼のペンスタンドに立てておく理由。
商品管理をはじめ、ブランド運営に関する業務は概ねデジタルツールで事足りるにも関わらず、紙やペンなどのアナログアイテムは欠かせないという小林さん。
「スケジュール管理はデジタルで行う部分もありますが、手帳に書き込む習慣があるので、ないと困りますね。急な打合せやミーティングがある際も、デスクにペンが一本あれば大体のことに対応できますし」。
PCの脇に武雄焼のペンスタンドを置く理由はそこにあります。コンパクトながら程よい重量感により、少々大きく重みのあるペンでもしっかりと収めることができる点に小林さんは機能性の高さを感じています。
武雄焼に宿る職人の息づかい。
私たちの服にも“思い”がある。
ある素材から何かを生み出すという部分に、自身の仕事との重なりを感じるという小林さん。
「武雄焼には派手さこそないけれど、深みのある釉の色と凹凸の質感がうまく調和しているし、職人さんの息づかいすら感じます」。デザインばかりが先行せず、土台となる素材を吟味したうえで、それぞれの用途に合う形を模索すること。
小林さんが『FIDES』という服をつくる際も、どんな生地で良い着心地を味わってもらうかを念頭に、シルエットや柄のイメージを考えることが多いといいます。「このペンスタンドのように、ペンを保管できるという実用の機能とともに“存在感”を物に与えていく。これがデザイン上の個性なのかな、と思います」。
目の前の武雄焼を通して、思わぬ形で“ものづくり”の考え方に立ち返る小林さんでした。
HIZEN5 武雄PENSTAND TAKE/O
AIYU_C
一筆挿しやペーパーウエイトに使える武雄焼の陶器製ペン立てです。1つ1つが手作りのため若干生じる個体差も味があり、質実剛健な本物感で上質感があるのが特徴的。全18種類のパターンがあり、集める楽しみや選ぶ楽しみもあります。
¥ 4,153
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story01
里 愛梨
中煎りブレンド豆をサイフォンで一杯ずつ抽出するコーヒーショプ『Pin』店長。ガトーショコラをはじめ、八女産のいちご「あまおう」を使ったレアチーズケーキ(期間限定)など、濃厚な味わいを放つ本格スイーツにも根強いファンが多い。
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story02
平子 良太
ホテルレストランに勤務後、東京のイタリアンなどで料理の技術を磨く。帰郷後、福岡のイタリア料理店で料理長を務めた後、自身の店『パスタ食堂ヒラコンシェ』を開業。現在、業態の異なる6店舗を運営する一方、東京への出店も視野に入れて活動している。
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story03
aki
旅をテーマに据えるセレクトショップ『FROM WHERE I STAND』店長。旅好きを公言するだけあり、自身のSNSでは多数のフォロワーに向けて国内外への旅の様子を発信している。昨年は佐賀県・有田(=『アリタセラ』)を訪れ、焼物の魅力を堪能。
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story05
岩目後 明香
秀でたカット技術と似合わせの提案力に定評のある『TRENCH』スタイリスト。ゲストのあらゆる要望に対応するプロ集団の中でも、ナチュラルなスタイリングを得意とする。トレンドを取り入れながらも、その人の内面的な美しさを引き出すことを大切にしている。