あの人と、HIZEN5
STORY02
平子 良太
ホテルレストランに勤務後、東京のイタリアンなどで料理の技術を磨く。帰郷後、福岡のイタリア料理店で料理長を務めた後、自身の店『パスタ食堂ヒラコンシェ』を開業。現在、業態の異なる6店舗を運営する一方、東京への出店も視野に入れて活動している。
店づくりの起点はひとつ。
それは、徹底した世界観の創造。
イタリアンレストランをはじめ、福岡市内にベーカリーやカフェなど6店舗を展開するオーナーシェフの平子良太さん。一号店となる『パスタ食堂ヒラコン
シェ』の人気もさることながら、近年オープンしたベーカリー『アマムダコタン』は、開業当初から女性客を中心に連日行列ができるほどの活況ぶりです。
また、これほど多くのファンの心をつかむ背景には、平子さんが徹底的に突き詰めた空間づくりが挙げられます。ヨーロッパ各国のアンティーク什器に加
え、ドライフラワーを用いた装飾がもたらす独自の世界観は、単なる「異空間」とは例えがたい幻想的なムードさえ漂います。
店舗で使用するカトラリーもまた平子さん自身のセレクトによるもの。プライベートでは国内外の焼き物を時々の気分で購入することも多いとか。
伝統を受け継ぎつつも、現代の感覚を
柔軟に取り入れる佐賀の焼物の面白さ。
オーナーとして多忙な日々を過ごす一方、ふと得られる自分だけの時間も大切にする平子さん。自宅の庭には様々なハーブが育ち、切り花としても親しまれるミモザの木も立っています。
「生花は季節を感じられるし、コーディネートや水やりも手間にならないこともあって、普段から生けますね」。
嬉野・肥前吉田焼のフラワーベースに今しがた摘んできたミモザを挿しながら平子さんは話します。「この一輪挿しにも言えることですが、何百年もの歴史をもつ焼物って、伝統を守りつつも、最近は特に現代を生きる人の使い勝手やセンスをきちんと反映したものが増えていますよね」。
佐賀の焼物はもとより、若い作り手の感性に強く惹かれるという平子さん。ポップな色づかいに加え、スタイリッシュなフォルムを描く肥前吉田焼のフラワーベースを、あえてキッチン内の無機質なコンクリート製カウンターに配置する平子さんの発想力。まるで異質な素材同士が調和する面白さを教えてくれているようです。
既成概念にとらわれない姿勢は、
自分の今後にも通じる考え方。
自由な発想が焼物の新たな可能性を生むように、平子さんが次に手がけるお 店にも、新しい発想が詰まっています。「今までつくり上げてきた世界観から少しだけ距離を置いてみるのもいいかなと」。
初の東京進出を計画している平子さん。空間づくりも同様、これまでのどち らかと言えばモノトーン寄りのつくりから、ポップな色彩を放つ都会的な雰囲気を模索しています。
「従来とは対極の世界観ですね。モダンかつポップな焼物に惹かれる今の気 分のように、既成概念にとらわれない店づくりがかなえば」。
リベラルなものづくりに定評のある肥前吉田焼のように、平子さんの豊かな 発想力が、これからも飲食店の新しいスタイルを築いていくことに違いありません。
HIZEN5 フラワーベース【嬉野】
ステーショナリーに、インテリアに。仕事の合間に、目に入る一輪の花に癒されます。デスクオーガナイザーで、一列に並べたり、重ねてみたり、配置は自由にアレンジ可能。用途に合わせて、好きな色・好きな形の組み合わせを楽しめます。散らかりがちなデスクまわりを、シンプルに彩ります。
¥ 1,980
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story01
里 愛梨
中煎りブレンド豆をサイフォンで一杯ずつ抽出するコーヒーショプ『Pin』店長。ガトーショコラをはじめ、八女産のいちご「あまおう」を使ったレアチーズケーキ(期間限定)など、濃厚な味わいを放つ本格スイーツにも根強いファンが多い。
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aki
旅をテーマに据えるセレクトショップ『FROM WHERE I STAND』店長。旅好きを公言するだけあり、自身のSNSでは多数のフォロワーに向けて国内外への旅の様子を発信している。昨年は佐賀県・有田(=『アリタセラ』)を訪れ、焼物の魅力を堪能。
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story04
小林 久晃
『FIDES』ディレクター。「現代を生きるすべての人のためのユニフォーム」をコンセプトに、上質な生地のウェアを中心にブランドを展開。ロゴマークを基調としたアイテムは、無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインが多く、男女を問わず支持を得ている。
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岩目後 明香
秀でたカット技術と似合わせの提案力に定評のある『TRENCH』スタイリスト。ゲストのあらゆる要望に対応するプロ集団の中でも、ナチュラルなスタイリングを得意とする。トレンドを取り入れながらも、その人の内面的な美しさを引き出すことを大切にしている。